アート、音楽、芝居、旅行、
私のフィルターを通ったドキドキをお伝えします。

2013年3月6日水曜日

赤い封筒

もう随分前の話。

きっかけは「赤い封筒」。
中にはライブペイントで描いた作品の写真と、
ある集団のプロフィールが入っていた。

さくらの季節。
公園でゲリラ的に音楽を奏で、絵を描く。
その活動を知人から聞き、ある店で手に入れた赤い封筒。

それから、プロフィールに書かれていたブログをのぞく。
所感をつづった文章。
とてもキレイな表現、というか…古典的な言い回し。
詩的な表現。どんな人なのだろう?
私の中で想像が膨らんだ。

いつしか時間は流れ、私は友人たちと企画してあるアート展を開いた。
私も出展したが、同じ空間に作品を展示してくれる人を公募した。
あの赤い封筒の作品の彼がいた。やっと逢えた。

ひとまわりも歳が下だったが、なんだが妙に落ち着いていて、
カメラを持って、おしゃれさんで、口数が少なかった。
エスキスノートを持ち歩き、気になったことをメモしたり、
スケッチしていた。それも見せてもらった。
オモシロイ視点。すごく惹かれた。
「赤い封筒」のことを話した。すごく喜んでくれた。
私は、彼から本をいただいた。大切にしていた本だという。
彼が影響を受けた外国のアーチストの作品集。
すごく気に入った。
私がアートに深く興味を持ち始めたきっかけ。

彼はアート展で実物大の「ロバ」を展示した。
ロバは彼に似ていて、やさしい顔をしていた。

アート展のとき、たくさん話をした。
うちに秘めた想いを作品にすること、
今のアートシーンのこと…
とても濃い時間。
アーティスティックな感覚に目覚めさせてくれた。

それからまもなく、私は病に倒れて自暴自棄になった。
それを救ってくれたのはアート。
北の大地へ移り住んだ彼の作品展を見に行った。
ギャラリーはこじんまりとしていて、
ハシゴに登って上から俯瞰的に見たり、
西日が差し込むと作品の影が長さを変えて趣を出したり、
すべて計算されている!そして、いつまでもココにいたい!

故郷をはなれても、作品から感じられる敬意。

地元に帰って、私はアートギャラリーのアルバイトをした。
ここで、さまざまな感性を持つ人たちと出逢った。
どんどん、これまでの感覚が上書きされていく。
眠っていた感覚が目覚めていくように感じた。

どこか、非日常を求めるとき、芸術鑑賞に行く。
五感を使い、想像をはたらかせ、
それは結局、脳へよい影響があるから。

型にはまらない発想は仕事でも生かされ、
アーティストとの出会いで、私の価値観も塗り替えられた。

いまもなおアートとの関わりは続いている。

ありがとう。

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